車椅子と圧
こんばんは。
今日は、圧について考えて行こうと思います。
車椅子上で圧が及ぼす影響は、姿勢に対し非常に強い影響力を持っています。
圧によって、不快に感じたり心地よさを感じたりします。
人はストレスとなる圧から逃れようとします。それは、無意識下での反応となります。
ある本ではこのように書いてあります。
人が椅子に座っています。一側の臀部の下には小さく丸めた紙があるとします。最初はその人はその小さな紙に気づかないのですが、しばらく経つとその紙の存在を感じ始め不快に思うようになってきます。
この時、人はどんな行動をとるでしょうか?
というものです。
圧が及ぼす姿勢変化について説明していこうと思います。
圧と痛みの原理
シーティングで大事となってくるものの一つとして、圧があります。
圧と痛みは深い関係性があります。
車椅子に座っている際に体に感じる圧は、時間が経つにつれ不快になっていきます。
座位時における人体各部の重量分布では、骨盤より上の頭部・体幹・上肢で62%と報告されています。その重みが圧として臀部にかかってきます。
他にもバックサポートにかかる背中の圧やアームサポートにかかる腕の圧、大腿部にかかる圧、フットサポートに乗っている足部の圧があるかと思います。
どこの部分であっても、圧は不快でありその不快の軽減や心地よさの改善の為に圧を変化させる必要があります。
正常な感覚を持つ人であれば、その不快な圧を無視することは出来ません。
圧が好きと言うのならばドMですね・・・(笑)
圧から逃れなければそれはいずれ痛みとして感じるでしょう。
みんな痛いのは嫌いです。
痛みから逃れるために肢位を変え、そして姿勢が変わっていきます。
このとき、健常人であれば姿勢を変えてまた戻す事が可能ですが、姿勢を戻す事が出来なければ崩れた状態で座っている事になります。
これが不良座位姿勢となるのです。
圧と褥瘡の関係
褥瘡は、圧迫や圧とずれが組み合わさった結果、骨突出部の皮膚や皮下組織に限局して生じた損傷である
とされています。
寝たきりや車椅子生活の方は褥瘡のリスクが高いです。
車椅子における褥瘡の発生場所は以下の通りです。
- 背部
- 側胸部
- 大転子
- 臀部
- 仙骨
- 尾骨
- 膝窩部
- 下腿部
- 踵部
- 足趾
中でも、臀部・尾骨の褥瘡発生リスクは高くなります。
実際に車椅子上の圧を図ってみた
実際に車椅子上での圧がどうなっているのか、座圧を図る機械(SRソフトビジョン)で測定してみました。
普通型車椅子では、圧の集中がみられます。
この状態を長時間続けいていると、圧が不快となり、更に時間経過とともに痛みに変わってくるでしょう。
圧は座る姿勢によって大きく変化しますし、座面の環境にも大きな影響を受けいます。
なので、座面の角度とクッションが車椅子座位にとって必要不可欠なものとなってきます。
まとめ
車椅子と圧について説明してきました。
圧は痛みとなり、人に不快感を与えます。そしてそれから逃れようと姿勢を変化させます。
今、車椅子を利用されている方の圧は大丈夫か確認してみてください。
もしそこに何らかの不都合が生じているのであれば、それを改善してあげるだけで利用されている方は快適に過ごすことができ姿勢もきれいになってくるかもしれませんね。
また、車椅子のみではなく、ベッド上の圧についても同じように考える必要があります。