車椅子の移乗方法
こんばんは。
車椅子は前回の記事の内容でもありましたが、車椅子は歩くことが困難な方に対して、その足の代わりとなってくる重要な移動手段です。
本日は移乗について紹介していきます。
車椅子に求める事
車椅子に求める事は3つあります。
①移乗性
②姿勢保持性
③操作性
大まかにこの3つになるかと思います。
車椅子は移動能力を補ってくれる目的で使用しますが、車椅子を用いることによって移乗や姿勢が重要となってきます。
今回は①の移乗性について説明していこうと思います。
移乗方法
移乗方法には、立位移乗・座位移乗・水平移乗・機械移乗があります。
車椅子への移乗において転倒事故の発生することも多くあります。
車椅子を選択する上でいつも同じように移乗できること、またその動作が安全に行う事が重要になってきます。
その為に、適切な車椅子の選定と移乗方法を考慮していく必要があります。
立位移乗
これは立った状態で移乗する方法です。
下肢の筋力や身体機能がある程度しっかりされている方が行う方法かと思います。
アームサポートは固定式や着脱式で把持できるがあるものを選択する必要があるでしょう。
この方法では、立位を経由するので立ち上がりのしやすさが重要となってきます。
環境への配慮として、ベッドの高さ・車椅子の座高の高さを本人の能力に合わせ、立ちやすい高さを調整します。
また、ティルト角度が強いと立ち上がりにくいので注意が必要です。
座位移乗
この方法は立つことが困難な場合に用いられます。座位移乗には、自立方法と介助方法があります。
自立の場合、車椅子とベッド上の間の隙間へ落ちないようにトランスファーボードを使用します。
アームサポートは跳ね上げしきを選択します。脱着式は手間や置き場所の問題が発生します。
レッグサポートはスイングアウト式が良いかと思います。
座位移乗の際に邪魔となってくるのがブレーキになります。調整出来る物であれば、ブレーキの位置を後ろに設置することで移乗の際に臀部の引っかかりを改善することが出来ます。
また、後輪のインチが大きいとタイヤの上の部分に臀部が引っかかるので、インチは少し小さい物を選択するといいでしょう。
ベッドと車椅子の高さは同じか、ベッド高が調整可能であれば、移乗先の高さをやや低くして臀部の移動がしやすいです。
介助方法では、一人では困難な場合に介助をしながら移乗します。トランスファーボードを使用し、介助しながら移乗していきます。この際移乗用ベルトなどを使用する場合もあります。
移乗介助では、後方からする方法と前方からする方法があります。
後方からする際は、前方への前滑りの危険性があるので注意が必要です。
水平移乗(介助)
起立性低血圧など、立位・座位ともに出来ない場合に選択されることが多いです。
水平移乗の際、車椅子の機能としてリクライニングが大きく倒れる必要があります。ベッドと水平になるように設定し、長いスライディングボードを用います。
ベッドの昇降機能と、アームの取り外し機能が必ず必要です。
2人介助で行うのが安全で良いかと思います。
機械移乗
機械移乗はリフトを用いた移乗方法となります。
リフトには、簡易リフトや床走行リフトがあり、吊り具の選定が必要です。
リフト移乗の際の注意点として、吊り具をハンガーにかけたつもりがかかっていなかったなどの転倒のリスクがあります。
しかし、リフトをしっかりと使用することができれば、誰でも簡単に移乗介助が可能となります。
まとめ
どの方法が適切かは、本人の身体機能や能力・使用目的・使用環境・使用頻度・他の福祉用具とのマッチング、介護者の能力・許容範囲によって変化してきます。
評価をしっかりと行い、利用者に対して安全に使用してもらえるように提供することが重要です。