痛みにおけるシーティング

こんばんわ。

 

今日は、痛みのある方に対してどうやって車いすの調整をしていくかについて

書いていこうと思います。

 

痛みと言ってもさまざまかと思います。

 

・術後の痛み

・神経痛

・慢性腰痛

・脊椎圧迫骨折

 

この中で今日は、脊椎圧迫骨折に対する痛みについて考えていこうと思います。

 

 

 

 

 

脊椎圧迫骨折とは

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簡潔に、脊椎に圧迫・屈曲・伸展・回旋外力、あるいはそれらの複合によって変形してしまう骨折です。

特に、胸腰椎移行部(Th11~L2)は不動部の胸郭と可動部の腰椎との境にあって応力が生じやすいため損傷されやすいです。

 

症状としては、寝返り動作や、起居動作などの体動時、長時間座位などで痛みが出ることがあります。安静にしていると痛みは少ないです。

 

座位・立位では脊椎に重力が加わってきます。

立位では脊椎がまっすぐなので痛みの出現は少ないかと思います。

しかし前屈姿勢では、圧壊した部分に圧が加わり痛みが出現してきます。

 

座位では、立位に比較し屈曲姿勢になりやすいです。

なので、長時間座位は疼痛の増悪に繋がるかと考えています。

 

 

座位ってどういう状況なのか

 

普段、私たちは何気なく座っています。

では、適切な座位ってなんだろうか。

 

・座面がしっかりしている(支持面が安定している)

・圧の分散ができている

・姿勢の変化を起こすことが出来る(体幹を前傾させる)

・背部のサポートがある

・足部の環境

 

 

これらを見ていくと車いすの各部分に当てはまってくるかと思います。

 

 

座面がしっかりしている

(支持面が安定している)

 

椅子に座っている場合に接地している部分は、骨盤・大腿・足部になります。

車いすや背もたれのある場合は背中も含まれてくるかと思います。

これらが安定している必要があります。

 

座位というものは、立位に比較し骨盤が後傾しやすいです。

重力により運動連鎖で脊柱は屈曲位になりやすいです。

 

ですので支持面をしっかりさせることが重要になってきます。

 

 

骨盤を起こすにはどうしたらよいか

 

調整の出来る車いすであれば背張りを調整したり、クッションが豊富であれば

適切な物を選定すればいいと思います。

 

しかし、物が何もない……

標準型車いすしかない……

 

 

その場合、お尻の下にタオルを引いて骨盤の後傾を防止してみましょう。

それだけでもだいぶ変化が得られると思います。

また、背部にサポートをいれてあげ、生理的湾曲をつくってあげるとさらに

骨盤の後傾はふせげるのではないでしょうか。

 

痛みによる弊害

 

圧迫骨折を受傷

 

 

痛みが出現!!

・腰が痛くて座れない

・上肢を挙上すると痛くて食事がとれない

 

などたくさんADLへの影響があります。

 

そうすると、

痛みが増加するから離床ができない→起きたくない…→臥床傾向→廃用になる

といった悪循環が生まれます

 

また、痛くて食事ができないとなると、

食事が進まない→低栄養になる→積極的な介入ができなくなる→廃用になる

 

と、いいことは生み出さないですね。

 

 

そうならないように、患者さんに対して今の環境はどうなのか、もう一度確認し車いすの調整を行う事が必要になってくるかもしれませんね。

 

痛みが軽減できれば、ADLが向上していくでしょう。

 

まとめ

 

患者さんの周辺環境へ気を配り、よりよい環境を提供することも大切になってきます。

 

もちろん身体へのアプローチもとても大事です。

 

両方行い、入院期間の短縮に繋がるといいですね。