車椅子と四肢の可動性
こんにちは。
前回は、車椅子における脊柱の可動性についてみていきましたが、
今回は、四肢の可動性について見ていって見ましょ。
上肢や下肢は体幹に直接影響を与えることが出来ます。
下肢が体幹に及ぼす影響
下肢は骨盤を動かす為の"おもり"となることが出来ます。
まずは車椅子における下肢の位置です。
普通型でよくありがちな事が、フットサポートの高さがあっておらず、膝が突き上げられた状態になっているのを見かけます。
大腿部の接地面積が少なく、不安定です。
膝が突き上げられ後方重心となり、股関節は外転してしまいます。
そうすると骨盤は後傾の状態を強いられます。
この状態から体幹を起こしてくることは困難でしょう。
足部を床につけ、大腿部の接地もしっかり行います。
骨盤を前傾位にもっていくと、体幹の腹筋群の活動が促され、頭部の伸展も可能となってきます。
下肢の可動性制限がある場合はどうでしょう。
膝の伸展制限があれば、無理に伸ばした状態を強いられていると、ハムストリングスがひっぱられた結果、滑り座りとなってしまうかもしれません。
股関節の屈曲制限がある場合に普通型車椅子に座ることは困難です。
90°曲がらないため、滑り座りになるという解決方法をとる事になるでしょう。
下肢の可動域の評価は車椅子調整において重要となってきます。
上肢が体幹に及ぼす影響
上肢が体幹に及ぼす影響ですが、まず両腕を組んでみましょう。
両腕を組み胸部に押しつけてみてください。
そうする事で体幹伸展し、脊柱が安定するかと思います。
今度は、両腕を太ももの上にのせてみましょう。
体幹が必然と屈曲してしまします。
上肢の位置により体幹の位置が大きく影響されます。
上肢を胸の前に持ってくることで効率よく体幹の屈曲を阻止することが出来るかもしれません。しかし、ここで問題になってるこことがあります。
上肢を屈曲させている状況では、筋緊張の亢進を招き拘縮を起こすかもしれません。
ここで、体幹のバランスの安定性向上のためにバックサポートを使うと良いでしょう。
バックレストにもたれることで体幹の保持をサポートしてくれます。
まとめ
座位姿勢を理解するために四肢の位置や活動を理解する事が重要となってきます。
その現象を理解する事でどうしてこの姿勢になっているのか分析でき解決への近道になるかもしれません。
長い時間、上下肢が不適切な位置で同じ姿勢でいるとそれはいずれ拘縮になる危険性があります。
適切に調整し拘縮予防をできるといいですね。